文/伊藤和憲(鍼灸師・明治国際医療大学教授) イラスト/中根ゆたか
春が本格的に始まる「雨水」の時期、人の心もからだも新しいことに向かって動き始めます。けれど、全身の循環が悪くからだのすみずみまでエネルギーが回らないと、ちょっとしたことで疲れたり、やる気がなくなってしまいます。多くのツボが集まる顔や、循環をうながす脚のツボ押しで、アクティブに動くための準備をしたいものです。
雨水にケアしたいツボ
四白(しはく)
位置:目の下にある骨から、真下に指1本分のところ、骨の際のわずかなくぼみ。
方法:指のはらを使い、イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回毎日予防的に行いましょう。また、ツボの周辺をそっとマッサージするのもいいでしょう。
効果:目のまわりや顔のむくみなどに効果的なツボです。むくみ以外にも、目の下のクマ、たるみ、さらには目の疲れや顔面神経痛、顔面けいれんなどにも効果的です。
築賓(ちくひん)
位置:ふくらはぎの内側にあり、「ひざ」と「くるぶし」を結ぶライン上、下から1/3のあたり。押すと痛く感じるポイント。
方法:あまり強く押しすぎず、ここちよい痛みを感じる程度に5〜10回程度押すとよいでしょう。ツボは、正確に位置がわからない場合でも、その付近をマッサージするだけでも効果があります。
効果:下半身の血流改善に有効で、「足の冷え」「脚のむくみ」「脚のだるさ」などに効果があります。立ち仕事でふくらはぎが張ったとき、むくんだときに、実践しましょう。
崑崙(こんろん)
位置:「外側のくるぶし」と「アキレス腱」の間にあるツボ。指でなぞると少しくぼんでいるところ。
方法:イタ気持ちいい程度に5秒押して5秒離す刺激を1セットとし、5〜10回毎日予防的に行うようにしましょう。冷えている場合は、お灸をすえてもいいでしょう。
効果:脚のむくみだけでなく、脚の血流をよくすることで、からだの疲れにも有効です。また、頭痛や腰痛などにも効果的だといわれています。
デザイン/WATARIGRAPHIC